2010/02/23 (Tue) 10:57
暇さえあれば鏡を見てる 彼女に言われた言葉を反芻しながら考える 「貴方の全てが大嫌い」 彼女はそう言い残して僕の下を去った 手を伸ばしたけれど届かずに消えてった 「貴方の全てが大嫌い」 そう言った君は 何を思いその言葉を放ったの? 君は僕を好きだと言って 僕はそれに答えただけなのに 始まりに理由はなく ただ漠然と好意をぶつけてきた君は何を思ったの? 僕は君を好きになり 君もそれに答えただけなのに 僕がいつ何をした? 僕がいつ間違った? 僕がいつ変化した? 僕はずっと変らない 僕はずっと僕のままだ なのに君は嫌いと言った この僕の全てを否定した わからない わからない わからない 疑問符に埋もれる日々を過ごして 疑問符に押しつぶされる夢を見て 僕は今日も鏡を見て考える そして今更僕は気付いてしまった 鏡に映る自分を見て気付いてしまった 僕は彼女が好きじゃなかったんだと 僕は彼女を好きな自分が好きだったんだと 鏡に手を伸ばして触れてみる 冷たいひんやりとした硬い感触 鏡は無言で僕の熱を奪ってく 何で今更―― 僕はそう呟いて鏡を割った 砕けた鏡は僕の姿を消して 代りに熱を齎した 僕は己の拳から滴る血を眺め そして啜った 口内に広がる血の味が 僕の心を癒してく 傷口を舌で愛撫して 僕は僕を愛した
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