貴女が髪を染めたから　僕も髪を染めました
　貴女がピアスを開けたから　僕もピアスを開けました
　貴女がタトゥーを入れたから　僕もタトゥーを入れました

　僕の目に　貴女はあまりにも美しく映りすぎて
　少しだけそれを　真似てみたいと思ったのです

　そうすれば少し貴女の美しさに近付ける気がして
　そうすれば少し貴女の美しさを理解出来る気がして

　色々真似てみたけれど　僕には貴女のような美しさは手に入りませんでした
　そんな僕を見て貴女はいつもこういうのです

　『君は君のままで居てくれれば、それだけで私より美しい』と

　僕は僕である事を無くしてしまっていたのでしょうか？
　貴女に近づこうとするあまり　僕はただのバッドコピーに成り下がっていたのでしょうか？

　けれど僕は　僕自身であることが美しいとは思えませんでした
　何の努力もせずに　貴女と肩を並べる事は出来ないと感じていたのです
　貴女は美しすぎるから　こんな不細工な僕の容姿など　あまりに不釣合いな事に思えたのです

　それなのに　何故貴女は努力する僕を認めてくれないのですか？
　僕は貴女の美しさに近づくために必死なのに　何故哀れみの視線で言葉を呟くのですか？
　貴女の言葉は同情だったのでしょうか　それとも僕が自身を喪失していく事を哀れんだのでしょうか？

　僕は未だそれを判別つかずに悩むけど
　自身よりも何よりも　貴女の事を大切に感じています
　貴女の美しさに　今日も魅了されています